血液を送り出すときの圧力が高いのが高血圧
人間の体は、心臓から送り出される血液が、全身を循環することで生命を保っています。心臓はポンプのように収縮と拡張をくり返し、全身の血管に血液を押し出しています。このとき、血管にかかる圧力のことを「血圧」といいます。
血液が血管に押し出されるとき、心臓は収縮します。このときの血圧が最大血圧、いわゆる「上の血圧」です。心臓が拡張したときの血圧が最小血圧(下の血圧)です。これらの数値が正常範囲を超えて高くなった状態が「高血圧」です。
高血圧になって、血管にかかる圧力が高い状態が続くと、血管は傷つきやすくなり、さまざまな病気の原因になります。
病気をひきおこす心配がないとされる血圧の数値は、各国で基準をもうけていますが、日本では、最大血圧130mHg未満、最小血圧85mHg未満を正常範囲としています。最大血圧140mHg以上、最小血圧90mHg以上になると、高血圧と診断されます。
血圧は、心拍数がふえたり、末梢血管の血流に対する抵抗が大きくなると、血管の収縮によって高くなります。血管が老化してかたくなったり、コレステロールなどが付着して血管の内腔が狭くなった状態を動脈硬化といい、進行すると血圧も高くなります。
高血圧の原因は食生活と生活習慣
高血圧には、直接の原因がはっきりしない「本態性高血圧」と、なにかの病気が原因でおきる「二次性高血圧」があります。
日本では、軽症も含めると、65歳以上の人の約60%が高血圧といわれていますが、その95%以上が本態性高血圧です。
本態性高血圧は、遺伝的要素や日常生活の間題が影響してあらわれると考えられます。とくに食生活をはじめとする生活習慣は、血圧に大きく関与しています。
血圧を高くする要因の代表的なものは、「塩分のとりすぎ」「肥満」「喫煙」「飲酒」「運動不足」「ストレス」などです。
たばこは血管を収縮し、徐々に弾力性を失わせ、動脈硬化を促進させます。塩分は血流量をふやし、血管に負荷をかけます。食事に含まれる過剰なコレステロールや糖分は、血液にとけ込み血竹に付着し、動脈硬化につながります。
高血圧をほうっておくと合併症を発症することも
高血圧は、くも膜下出血、眼底出血などさまざまな病気の原因になる可能性をもっています。
動脈硬化が進むと、血管が狭くなって血液が流れにくくなったり、血管がつまることがあります。これが脳の血管でおこるのが脳梗塞、心臓の血管でおこれば狭心症や心筋梗塞の発作をひきおこします。
傷ついた血管に強い圧力がかかると、大きなダメージを受けます。腎臓は細い血管が集まっている臓器なので、とくに影響を受けやすく、腎機能低下や腎不全をおこすことがあります。
腹部や胸部の動脈に動脈瘤ができてふくらんだり、破裂することもあります。
高血圧はあまり症状がない
高血圧そのものには、ほとんど自覚症状はありません。しかし、血圧の高い状態が長く続くと、合併症がおき、その症状があらわれ
ることがあります。
狭心症や心筋梗塞では、胸の痛みやどうきがあります。心筋梗塞の場合は激しい痛みを感じます。
胸やけやみぞおちの痛みは、腹部の動脈瘤が疑われます。動脈瘤が破裂すると、激痛がおきます。
腎臓の機能が低下すると、朝起きたとき、顔にむくみがでます。
高血圧の一般的な治療法
高血圧の治療の目的は、生命にかかわるような合併症を防ぐことです。基本的には、食生活の改善と運動療法を行います。
食事と運動で効果がみられないときや、血圧が非常に高く、危険な場合は、薬物療法を行います。
降圧剤として使われる薬は、おもに次のようなものです。
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利尿薬…ナトリウムと水分を排出させ、血液の量を減らして血圧を下げる。
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交感神経抑制薬…心拍数の増加と血管の収縮をおさえる。
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アンジオテンシン変換酵素阻害薬…血圧を上げる物質が体内で作られるのをおさえ、末梢血管をひろげる。
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カルシウム拮抗薬…末梢血管を拡張させる。
薬は、必ず指示されたとおりに服用することが大切です。勝手にやめたりしてはいけません。